前回の記事では、貯蓄型の生命保険、いわゆる「積立保険」はもったいない、という結論に至りました。
そこで今回は、
貯蓄型の生命保険(積立保険)を解約した後、代わりに掛け捨ての生命保険は必要なのか?
この点を検証してみました。
そもそも、なぜ生命保険に入るのか?
まず最初に、「生命保険に加入する理由」から考えました。
数年前にFPさん(兼・保険セールスマン)へ相談するまで、私はずっと、
- 生命保険はほとんどの人が加入するもの
- 死亡時の受取額は5,000万〜1億円くらい
というイメージを持っていました。
当時の私は、生命保険を「亡くなった悲しみへの慰め料」のように考えていました。
しかし、実際に保険の説明を聞いて知ったのは、生命保険は主に「一家の大黒柱」が加入するものだということ。
その理由は明確で、
【稼ぎ頭が亡くなっても、残された家族が生活に困らないようにするため】
これが生命保険の本来の目的だからです。
わが家の場合、誰が入るべき?
この考え方を、わが家に当てはめてみます。
わが家は子どものいない夫婦二人暮らしで、夫は会社員、私は専業主婦。
この家族構成であれば、生命保険は夫のみが加入すれば十分ということになります。
ちなみに、死亡保障1億円クラスの保険は保険料がかなり高く、一般的な家庭には現実的ではない、ということもこの時初めて知りました。
FPさんに勧められた保険内容
FPさんから説明を聞いた上で「わが家なら3,000万円くらいが妥当かな?」と思い、試算してもらいました。
すると返ってきたのは、こんな言葉。
「ご主人が亡くなったあと、奥さんが働けば1,000万円くらいの保険で十分ですよ」
そうして数年前に加入したのが、今回解約したこちらの貯蓄型生命保険。
◆年間保険料 36万円(月額3万円)
◆死亡時受取 1,000万円
◆加入時年齢 40歳
◆積立タイプ 50年後に健在なら、元本(900万円)+60万円が返戻金としてもらえる
◆終身保険 保険料の支払いは65歳迄で、以降は保険料なしで補償が一生続く
掛け捨て保険は必要か?
今回この生命保険を解約することになり、次に悩んだのが、
「代わりに掛け捨ての生命保険に入るべき?」
という点でした。
夫の年齢で、死亡保障1,000万円の掛け捨て保険に入ると、保険料は月額およそ8,000円。
掛け捨てでこの金額は、正直もったいない気もする。
でも、安心料として払うべきなのか…。
……ん?
安心料?
そもそも、私が感じている「不安」の正体は何だろう?
不安を分解してみる
「分からないこと」が不安の原因だと思い、まずは一人で生活できるかどうかを整理してみました。
- 住宅ローンは団信で完済可能
- 固定資産税はかかるが、慎ましく暮らせば生活費は月13万円ほどで足りそう
次に「夫が亡くなった時にもらえるお金」をネットで徹底的に調べました。
もしこのタイミングで夫が不審死を遂げたら、検索履歴から私が容疑者になりそうな勢いです。笑
<わかったこと>
- 公的にもらえるお金(社会保障)は、遺族厚生年金+中高齢寡婦加算で毎月10万円くらい
※将来的に、子なしの中高齢寡婦加算は廃止になる可能性あり - 夫会社には死亡退職金制度がある
- 子なし夫婦の場合、相続人は妻以外に夫側の家族(夫の両親や兄弟)にも相続権が発生する。妻がすべて相続する場合は、遺言書の作成が必要
まとめ
以上を踏まえた結果、
- 生活費は週3〜4日のパートでも十分まかなえそう
- ②の死亡退職金が、生命保険の代わりにできそう
- 贅沢な未亡人ライフは望んでいない
という理由から、掛け捨ての生命保険も不要という結論に至りました。
つまりわが家のケースでは、最初から夫が生命保険へ入る必要はなかった、ということ。
保険選びはFPさんに相談し、きちんと考えたつもりでいましたが、失敗だったのは相談相手がFP資格を持つ保険セールスマンだったこと。
よくある「無料相談」ってやつです。

FPはファイナンシャル・プランナーの略で、お金の守り方の専門家だよ。無料FPは保険などを売ることが目的で、有料FPは相談自体が目的というケースが多いよ
保険セールルマンの立場上、
「お宅のケースなら生命保険は不要ですね。保険料の分をつみたてNISA等に回して増やすことが、最も有益ですよ」
などという、わが家にとって本当の正解を教えてくれるはずありません。
そして今回いろいろ調べて感じたのは、大切な夫が亡くなることを想像するのは、やはり辛いということ。
「そんなことを考えるなんて縁起でもない!」
と思っていても、交通事故など“もしも”は突然やって来るものです。
悲しみのどん底にいる中で、お金や今後の生活のことまで冷静に考えるのは難しい…。
だからこそ、何もない起きていない時に「もしも」を調べることは大切だと感じました。

